Forbes: 7月17日ペルセウス座流星群が始まる
ペルセウス座流星群が流れ「牡鹿の月」が昇る 太陽が最も小さくなる7月の空
2025.07.02 17:05
Jamie Carter | Contributor
北半球で夜、屋外に繰り出して空を見上げるのにおあつらえ向きの季節がやってきた。今月は、水星、金星、火星、木星、土星が織りなすスペクタクルから「バックムーン」の満月、月とプレアデス星団の美しい共演、相次いで極大を迎える流星群まで、見どころが満載だ。2025年7月の天体観測と星空についてまとめた。
1. 地球が遠日点通過
日時:2025年7月4日(金)
方角:太陽(日食メガネが必要)
この日、地球は遠日点(aphelion)に到達し、1年のうちで最も太陽から遠ざかる。これは、地球が太陽の周りをわずかながら楕円軌道を描いて公転しているために起こる現象だ。遠日点の地球は、太陽から約1億5200万km離れている。半年後には、太陽に最も近づく近日点を通過し、互いの距離は約1億4700万kmに縮まる。
その差はたった3%程度だが、4日の空に輝く太陽はわずかに小さく見えるだろう。もし日食グラス(日食メガネ)が手元にあれば、今年最も小さい太陽を観察してみてほしい。
2. 火星と水星
日時:2025年7月5日(土)の日没後
方角:西
日没から約30分後の西の空を見ると、赤い火星と青白いしし座の1等星レグルスが少し離れて光っている。この2つの星を線で結び、そのまま右下へ向けて地平線近くまで伸ばしていくと、そこに水星が見つかるはずだ。水星は太陽に近く、薄明の短い時間しか見えないため「すばしっこい惑星」の異名をとるが、4日に東方最大離角となったばかりで今は比較的見つけやすい。
3. 金星とすばるが共演
日時:2025年7月6日(日)の日の出前
方角:東
もし日の出より早く起きられるなら、東の空を見てほしい。おうし座のプレアデス星団(すばる)の下に、明るい金星が輝いている。肉眼で見ても双眼鏡で覗いても美しい散開星団と「明けの明星」の共演は、実に壮観で見ごたえがある。
4. 「バックムーン」の満月が昇る
日時:2025年7月11日(金)の月の出
方角:南南東の地平線
夏が始まって最初の満月だ。米先住民の農事暦で「バックムーン(牡鹿の月)」と呼ばれる7月の満月は、日本時間11日午前5時37分に「望」の瞬間を迎える。ただし、見るべきは月の出である。大きなオレンジ色の球体が東の空を昇っていく絶景を拝もう。夏至にまだ近い時期の満月なので、南中高度は低い。
5. ペルセウス座流星群が始まる
日時:2025年7月17日(木)
方角:北東
名高いペルセウス座流星群が極大を迎えるのは8月に入ってからだが、流星は7月17日頃から出現し始める。翌日が下弦の月とあって、夜遅くまで月明かりの邪魔が入らず、ペルセウス座流星群の最初の火球を見つけやすいだろう。
6. 月と土星が出会う
日時:2025年7月16日(水)深夜~17日(木)未明
方角:東
夜遅く、ややふくらみを残した半月が東から土星と並んで昇ってくる。土星は月の右側で黄色っぽい光を放っている。
7. 細い月とすばるが出会う
日時:2025年7月21日(月)の日の出1時間前
方角:東
細く華奢な下弦の月が、きらめくプレアデス星団(すばる)に寄り添う。月の影の部分は、地球の海や氷冠、雲に反射した太陽光に照らされて幽玄な光をまとっているだろう。これを「地球照」と呼ぶ。
8. 金星が最大高度
日時:2025年7月26日(土)の日の出前
方角:東
「明けの明星」として夜明け前の空に輝く金星の高度がこの日、最も高くなる。日の出の45分前に東の空を見ると、地平線から約25度の位置にまばゆく輝いている。
9. 三日月と火星
日時:2025年7月28日(月)の夕方~宵
方角:西
細い上弦の月が日没後の西の空にかかり、そのすぐ左上に火星が見える。火星の最大の見ごろはもう過ぎてしまったが、赤い輝きはまだ見間違いようもない。月の影の部分は「地球照」に照らされて、かすかに光って見えるだろう。
10. 2つの流星群が同時に極大
日時:2025年7月31日(木)未明
方角:全天
みずがめ座δ(デルタ)南流星群と、やぎ座α(アルファ)流星群という2つの流星群が今宵、ともに極大となる。みずがめ座δ南流星群は1時間に最大20個、やぎ座α流星群は1時間に5~10個の流れ星が観測できる可能性がある。
(forbes.com原文)
翻訳・編集=荻原藤緒
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Gemini
◆ペルセウス座
ペルセウス座は、秋から冬にかけて見やすい星座ですが、ペルセウス座流星群の時期である8月でも、深夜から明け方にかけて北東の空に昇ってきます。
✔ペルセウス座の見つけ方
* カシオペヤ座を目印にする: 「W」または「M」の形をしたカシオペヤ座は、北の空で見つけやすい星座です。ペルセウス座は、このカシオペヤ座の南東方向(カシオペヤ座から見て右下あたり)に位置しています。
* アンドロメダ座からたどる: 秋の四辺形からアンドロメダ座をたどり、その足元近くに、片方の腕を振り上げる人のような形の星の並びを探すと見つけられます。
* 明るい星を目印にする: ペルセウス座には、2等星のミルファク(α星)や、明るさが変わることで知られる変光星アルゴル(β星)など、比較的明るい星があります。これらの星を目印に探してみましょう。
* 星座早見盤や星空アプリの活用: 星座の位置は季節や時間によって変わるため、星座早見盤やスマートフォンアプリなどを活用すると、より簡単に見つけることができます。
ペルセウス座流星群の放射点について
ペルセウス座流星群の流星は、ペルセウス座にある「放射点」から放射状に飛び出してくるように見えます。この放射点は、ペルセウス座のγ(ガンマ)星やη(エータ)星の近くに位置しています。流星は放射点付近だけでなく、空全体に現れるため、空の広い範囲を見渡すようにすると良いでしょう。
◆ペルセウス座流星群
ペルセウス座流星群とは
ペルセウス座流星群は、しぶんぎ座流星群、ふたご座流星群と並んで「三大流星群」の一つに数えられる、毎年安定して多くの流星が見られる流星群です。特に夏休み期間に活動が活発になるため、観測しやすいことでも人気があります。
* 母天体(親となる彗星): スイフト・タットル彗星 (109P/Swift-Tuttle)
この彗星が軌道上にばらまいたチリの中を地球が通過することで、チリが大気圏に突入し、流星として輝きます。
* 流星の色: 白っぽい流星が多く、速度が速いのが特徴です。
中には、流星が通過した後に光の跡(流星痕)が残ったり、非常に明るい火球(非常に明るい流星)が見られたりすることもあります。
* 放射点: 流星が空の1点から放射状に出現するように見えるその地点を「放射点」と呼びます。ペルセウス座流星群の放射点は、名前の通りペルセウス座にあります。
夜遅くから明け方にかけて、北東の空高くに昇っていきます。放射点が高くなるほど、見える流星の数は増える傾向にあります。
✔2025年の観測条件について
2025年のペルセウス座流星群は月明かりの影響が大きいため、観測条件は例年と比べてあまり良くありません。
* 極大: 2025年8月13日(水) 午前5時頃と予想されています。
* 月齢: 極大時、8月9日に満月を過ぎた明るい月(月齢19前後)が一晩中空に昇っています。
月明かりは流星の光をかき消してしまうため、普段なら見えるはずの暗い流星が見えにくくなります。
それでも観測を楽しむために
月明かりがあるからといって、全く見えないわけではありません。ペルセウス座流星群は比較的明るい流星が多いので、以下の点に注意して観測に挑戦してみましょう。
* 月を視界に入れない: できるだけ月を背にするようにして、月と反対側の、暗い空を広く見渡すようにしましょう。
* 暗い場所を選ぶ: 街灯りや建物の光が少ない、できるだけ暗い場所(公園、河川敷、山間部など)を選ぶことが重要です。
* 目を慣らす: 暗い場所に行ってから、目が暗闇に慣れるまでには15分~30分ほどかかります。その間は、スマートフォンの画面など、強い光を見ないようにしましょう。
* 長時間粘る: 流星はいつ、どこに現れるかわかりません。時間を許す限り、根気強く空を眺めることが大切です。特に、放射点が高くなる深夜から明け方にかけてがチャンスです。
* 快適な姿勢で: 寝転がって空を見上げられるような、敷物やリクライニングできる椅子などがあると、首が疲れにくく、リラックスして観測できます。
2025年は少し条件が厳しくなりますが、夏の夜空を彩る美しい流星をぜひ楽しんでみてください。
◆2025年のペルセウス座流星群
2025年のペルセウス座流星群についてですね。
2025年のペルセウス座流星群の主な情報
活動期間: 7月17日頃から8月24日頃まで活動が活発になります。
✔極大(ピーク):
最も多くの流星が見られると予想されているのは、2025年8月13日(水) 午前5時頃です。そのため、観測におすすめの時間帯は、8月12日(火)深夜から13日(水)明け方にかけて、特に午前0時~4時頃です。その前後、8月11日(月)や13日(水)の深夜から明け方にかけても、数は減りますが流星が見られる可能性があります。
✔観測条件:
2025年は、極大の時期に月明かりの影響が大きく、観測条件はあまり良くありません。8月9日に満月を過ぎた明るい月(月齢19前後)が一晩中昇っているため、流星が見えにくくなる可能性があります。しかし、ペルセウス座流星群は明るい流星が多く、火球が見られる可能性もあります。観測する際は、できるだけ月を背にして、広い範囲の空を眺めるようにすると良いでしょう。
* 放射点: ペルセウス座に位置しており、夜遅くから明け方にかけて北東の空高く昇っていきます。放射点が高くなるほど流星の数が増えます。
* 母天体: スイフト・タットル彗星です。
* ZHR(天頂出現数): 理想的な条件下では1時間あたり100個程度とされていますが、月明かりの影響で実際に観測できる数は少なくなる可能性があります。
✔観測のコツ
* 場所: できるだけ街明かりの少ない、暗い場所を選びましょう。
* 時間: 極大の時間帯はもちろんですが、放射点が高くなる深夜から明け方がおすすめです。
* 準備: 敷物やリクライニングできる椅子などを用意し、寝転がってゆったりと空全体を眺めると良いでしょう。長時間外にいる場合は、防寒対策も忘れずに。
* 目の慣れ: 暗い場所に移動してから目が暗闇に慣れるまでには15分~30分ほどかかります。スマートフォンなどの光を見ないように注意しましょう。
月明かりの影響はありますが、明るい流星が見られるチャンスですので、ぜひ観測に挑戦してみてください。
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真夏の天体ショー・ペルセウス座流星群がピーク 14日未明まで見頃
2022/8/13(土) 10:30
ペルセウス座流星群が夜空に瞬き、光跡を残した=13日午前0時51分、京都府京丹後市(渡辺恭晃撮影)
夏の夜空の風物詩「ペルセウス座流星群」がピークを迎え、13日未明、尾を引いて輝く流星が多数観測された。今年は満月の時期と重なって月明かりがあり、観測条件は良くなかったものの、京都府京丹後市の経ケ岬(きょうがみさき)には天文ファンらが集まった。瞬く流れ星を写真に収めたり、眺めたりして夜空を彩る天体ショーを楽しんでいた。
ペルセウス座流星群は三大流星群の1つで、かつて彗星(すいせい)が残したちりの帯の中を、毎年8月に地球が通り過ぎるため起きる。今年は14日未明までが見頃という。
最終更新: 8/13(土) 10:30
(C) 産業経済新聞社
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