2009年1月21日水曜日

天体情報:土星

土星の衛星パン
2009/01/21 00:05
土星の周囲には60個を超える衛星たちが回っています。まだ未発見の衛星もあるかもしれませんし、氷や岩石の小さな塊の集合体である大きな環もありますので、本当に賑やかなところだと思います。
さて、先日行われたセンター試験の「地学」の問題に土星の衛星パンが取り上げられていました。(第5問 問2 ) もちろん、パンについての知識を問う問題ではないので、パンについて知っているかどうかは答案には関係しませんが、少しこの星について書いてみたいと思います。
パンは数ある土星の衛星群の中で最も土星本体に近いところ(土星半径の2倍程度)を14時間足らずで公転する衛星で、1990年に発見されました。直径はわずか10km程度の衛星だと考えられています。この小さな衛星が有名になっているのは、土星のA環の中にある「エンケの空隙」という隙間を公転している衛星で、「羊飼い衛星」であるからです。
羊飼い衛星というのは、衛星自身の重力により、惑星の環をくっきりと保つ働きをしている衛星のことで、天王星でも見つかっています。
(ちなみに、パンとは、朝食に食べる美味しいパンではなく、ギリシャ神話に登場する牧神パンのことです)
 ところで、パンから見上げる星空はどのような光景でしょうか?
環の中に位置していますから、環が近すぎ無数の光斑として、まるで天の川のように夜空を覆い尽くしているのかもしれません。そして、その明滅する光斑群の向こうに、とてつもなく巨大な土星本体が見えていることでしょう。至近距離で眺めるため土星表面の渦巻く白斑などの大気現象も目の当たりにするのかもしれません。日常から離れSF的思考をしなければ、こうした世界の光景を思い描く事はできそうにありません。

星の喫茶室
http://y-iwaki.iza.ne.jp/blog/month/200901/


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