「【世界人間模様】スウェーデン 「チェルノブイリ」汚染地帯 現実と向き合い民族の誇り守る」:イザ!
配信元:SANKEI EXPRESS
2012/12/25 11:02更新
早春の雨が幼いマルグレット・フィエルストロームに降り注いだのは1986年4月29日、ソ連のチェルノブイリ原発が爆発して3日後の朝だった。トナカイを飼育する両親と暮らしていたスウェーデン北部の山あいで浴びた重く冷たい雨粒を、先住民族サーミのマルグレットは31歳になった今も覚えている。
「トナカイと遊んでいたら大きな雨音がして…。土砂降りになったの」
深い緑色の毛布を広げたような丘陵に湖沼が点在する美しい故郷は、その日を境に放射能の「汚染地帯」となった。
事故のニュースが届いたのは数日後。それから約1年間は理由も分からぬまま、被曝(ひばく)検査を繰り返し受けた。「体や生活がどうなっていくのか分からず、怖かった」
あれから四半世紀、マルグレットは北部ビョーナで、民族の誇りであるトナカイ飼育を引き継ぎ、安全な暮らしを取り戻す日を待ち続ける。
■トナカイと生きる
チェルノブイリが吐き出した放射性物質は1000キロ以上離れた北欧上空にも達し、雨で地上に落下した。トナカイが冬季に好んで食べるハナゴケは「放射能のスポンジ」と呼ばれるほど放射性物質を吸収しやすい。深刻な影響を受けたのがサーミだ。事故間もない調査では、食用トナカイ肉の約8割がスウェーデン政府の定めたセシウム137の残留基準を超え、約3年間、販売が禁止された。
イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/disaster/617277/
0 件のコメント:
コメントを投稿