震災に怯える中国,台湾(1995/2)
神保 隆見, アジア国際通信編集長
・震災対策が遅れる中国 中国と台湾が”関西大震災”の一部始終に強い関心を寄せている。 それもそのはず中国は昨年11月,江沢民国家主席の「経済建設と災害の減少をともに しっかりと把握する」という指示に従い,『防震減災10年計画』の実施について協議を 開始した矢先であった。中国では1966年から76年にかけて今世紀第4回目の地震多発期 となり,その間にマグニチュード7以上の大地震が14回発生,27万人が死亡,数億元( 70年代の物価で計算)の経済損失をもたらしている。 中国の多数の地震専門家は「今世紀から来世紀初頭が第5回目の地震多発期となる」 とみている。しかし,都市での多くの既設インフラ,建設などは防震,耐震構造にはなっ ておらず,新建築と混在している。
さらに状況が深刻なのは農村の土と石を主体とした 建造物で,手の打ちようがなく事態は深刻である。
・台湾も大地震発生期へ 台湾でも『地震観測センター』が1月18日,台湾南部の嘉南平野地域の関係当局や住 民に対し,同地域での「大規模地震の発生周期が巡ってきており,日本で起きたような 地震による大惨事が嘉南平野でも起きる可能性は非常に大きい」と警告。災害に備える よう呼びかけた。 同地域では20年から30年ごとに大地震が発生しており,前回は1964年1月18日に嘉南 県白河鎮で発生,110人が死亡,650人が負傷した。
さらに50年前の大地震では,2,006 人の犠牲者が出ている。
(2/18/95)
神保 隆見, アジア国際通信編集長
新しい日本の情報局
http://tanakanews.com/981117china.htm