2015年6月17日水曜日

天体情報


太陽の300兆倍!「宇宙でもっとも明るい銀河」が発見される
ライフ
2015年6月2日
nasa
NASAが「宇宙でもっとも明るい銀河」を発見したというニュースが天文学界で波紋を呼んでいます。その明るさはなんと太陽の300兆倍以上。しかもただ明るいだけではなく、この銀河の中心には巨大なブラックホールも存在するという。メルマガ『週刊 サイエンスジャーナル』では、この桁違いに明るい銀河について詳しく説明しています。
「宇宙でもっとも明るい銀河」発見!太陽の300兆倍の赤外線!その正体は?
夜空で最も明るい天体は何等星であろうか? 1等星の数は21個あり、その中でもシリウスは、-1.47等級。惑星ならば金星で-4.7等級。実はもっと明るい天体があって、月ならば満月で-12.7等級、太陽になると-26.7等級である。
太陽も恒星だが、地球に一番近いから明るいのは当たり前だ。等級には実視等級と絶対等級があり、同じ距離で比べないと本当の明るさはわからない。それが絶対等級だ。 絶対等級は、「仮に32.6光年の距離(10パーセク)に星を持ってきたときに何等星に見えるか」によって決めている。 どの星も平等に等距離(32.6光年)にあるとして、明るさを比較しようという発想だ。
太陽は直接目視できないほどの明るさであるが、絶対等級では4.8等星でしかない。だから、太陽よりも10倍~100倍明るい星があるというのもありうる。だが、宇宙で最も明るい天体というとそんなものではないもっと桁違いだ。
今回、NASAなどの研究チームが発見した天体は太陽の300兆倍を超える赤外線を出す「宇宙で最も明るい銀河」だ。まばゆい光はブラックホールによる可能性があり、銀河の重要な局面をとらえたという。
この銀河は、みずがめ座の方向の地球から125億光年離れた場所にあり、地球がある銀河より小さいが、1万倍のエネルギーを出している。ただ、放出する光の99%は赤外線で、普通の望遠鏡で見るのは難しいという。NASAは赤外線宇宙望遠鏡WISE(ワイズ)で観測した。
研究チームは中心に太陽の10億倍という巨大なブラックホールがあり、最長で13億年かけて成長したとみている。ブラックホールは様々な物質を吸い込み、周囲のちりを加熱し赤外線を出すと考えられている。
国立天文台の柏川伸成准教授(銀河天文学)は「この大きさに13億年で成長するのは通説では説明しにくい。宇宙の成り立ちを考える上で波紋を呼ぶ発見だ」としている。
『週刊 サイエンスジャーナル』
著者/なみ たかし
大学でライフサイエンスを学ぶ。現在/理科教員/サイエンスコミュニケーター/サイエンスライター。メルマガでは毎日の科学ニュースをもとに、最新科学やテクノロジー、環境問題や健康情報など、役に立つ科学情報をわかりやすく解説。
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http://www.mag2.com/p/news/17089

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