雑誌オレンジページ: 小鍋調理テク〜おうち/サバイバルクッキング
内海聡: 身近にある生薬=食材
身近にある生薬=食材
実は漢方薬だハーブだアロマだと使わなくても、身近には昔から使われてきた生薬=食材が結構あり、これらはレシピに入れることで健康効果が期待できます。
また動物性食品などとの相性も良く、だからこそ人類はずっと雑食で食べ合わせを追求してきたわけです。
ここでは代表的な漢方薬に使われている生薬で、日常でも使えるものを紹介してみましょう。
ショウガ(生姜)
代表的生薬の一つで数多くの漢方薬に生姜や乾姜などとして入っています。
殺菌効果や新陳代謝促進、冷えをとって健胃作用や消化促進などの作用もあります。
サンショウ(山椒)
山椒も花椒も生薬として漢方薬に入っています。
鎮痛、抗菌、駆虫作用があり、芳香性苦味健胃薬、駆虫薬的な作用を示します。
唾液や胃液などの消化液の分泌を促進し、消化管運動を活発にします。
ニンニク(大蒜)
滋養の王様ニンニクも生薬として考えられます。
血行促進、疲労回復、強壮、食欲増進作用などがあると言われ、免疫力を向上させる作用もあります。
黒にんにくは硫黄を含み様々な病気に効能があると言われます。
ヤマイモ(山薬)
ねばねば系のヤマイモも漢方処方にちゃんと入っている生薬です。
体力補強、滋養強壮、腎臓を補う作用があり、免疫力を強化するムコ多糖類を含みます。
健胃作用や消化を助ける作用もあります。
シソ(紫蘇葉)
漢方でも蘇葉として処方に用いられています。
整腸作用があり感冒や胃腸炎などにも用いられ、熱の発散、胃腸症状緩和に用いられ、気剤なので精神安定作用もあります。
魚毒に使われるといわれ添え物になっていますが、現在の紫蘇は農薬まみれで次亜塩素酸消毒されているので要注意です。
ワサビ(山葵)
抗菌、解毒作用に優れた生薬として使用されます。
すりおろしたワサビを生魚に添えるのは、魚毒を意識したものであり、生魚は安易に子どもに食べさせてはいけないというのは、ワサビの作用も関係あります。
ニラ(韮白)
ニラは単なる野菜ではなく生薬でもあります。
体を温める作用があり強壮作用があると昔から言われていました。免疫力を高め、ニンニクなどと同じ硫化アリルを含んでいるので殺菌力があると言われます。
ミカン(陳皮)
温州みかんの皮を乾燥させたものとして三国志の時代から重宝されました。
生薬として芳香性健胃作用、鎮咳作用などがあり、食欲不振、嘔吐などに用いられ、七味唐辛子にも用いられていることで有名です。
オクラ(陸蓮根)
日本には明治以後に伝来し、断面がレンコンに似ていることから「(おかれんこん)」とも呼ばれました。
免疫力向上作用、殺菌作用などがあり、ネバネバ食材のひとつとして有名です。
ゴボウ(牛蒡根)
食物繊維が豊富で消化されにくいのを利用して、便秘改善、血圧やコレステロールの低下、解毒作用、利尿作用を発揮します。
イチジク(無花果)
便通を整える作用があり漢方では緩下剤として使われます。
種が豊富で古くから実があまり変わらず、日本人や東洋人にあった果実の一つかもしれません。
実は内部に花をつけるそうです。
アズキ(小豆)
アズキは炭水化物だけでなくタンパク質も含み、フィトステロール、ポリフェノールの一種フラボノイドなどが含まれています。
そして炎症抑制、利尿、消炎鎮痛、骨を強くする効果などを期待して生薬で使われます。
ニンジン(朝鮮人参)
朝鮮半島が原産のウコギ科の多年草で、古くから精力増強、滋養強壮の生薬として扱われてきました。
サボニン群が豊富で脳や性器の血行も促進し、栄養も豊富に含んで疲労回復、健胃整腸作用などもあります。
タイソウ(大棗)
生でも食べられますが、日干しにした果実をいったん蒸し、もう一度日干しにして大棗として生薬では使われます。
滋養強壮、鎮静薬、緩和薬、健胃薬として使われ、漢方生薬の効果を緩和する作用もあります。
ゴマ(胡麻)
各国で使われる代表的な生薬で、炒っただけの煎りゴマや炒りゴマをすったスリゴマなどいろいろ使われます。
薬用には黒胡麻を多用し、セサミンなどを含み、滋養強壮、解毒作用、便秘改善、抗炎症作用などがあると言われます。
これらと動物性食品をうまく組み合わせることで、医学的にいうと相乗効果が期待できるわけですね♪。
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